梅雨空のもと、気持ちがパッと晴れませんね。各地で起きる災害のニュースも心が痛くなります。
梅が熟す季節の雨ということから「梅雨」だそうですが、中国では同音のカビという文字をあてて「霉雨」とも言うそう...。雨が毎日降ると書いて、「カビ」なんて...実感こもってます。
さて、ジメジメした季節には、パッとさわやかな味や香りがほしくなります。
日中は留守にするため、梅干しをつくるのはさすがにムリ!とあきらめていましたが、小梅を使えば土用干しする手間もいらないと書かれた本を見つけて、さっそくトライ。
①小梅を洗って、黒い"おへそ"を取り除き、②焼酎を吹きつけたあと、塩をまぶして、
③梅酢が上がってきたら、シソを加えるだけ!
コレなら私でもできる!!
おべんとうの友ができあがりです。
また、8月号の「小さな庭仕事」では、以前から春に訪ねてみたかった、京都の南丹町の「はーばりすとくらぶ美山」へ。ハーブの育て方と、ハーブの楽しみ方を教えてもらいました。
こちらは、世界中の山を歩いてこられたアルピニスト・浅野目誠和さんと、奥さまの敦さんが文字通り一からつくり上げたハーブの園。移住された30年前には何もなかった小高い丘に、誠和さんがログハウスを建て、その周りに夫妻がこつこつ育ててきたハーブは200種類以上を数えます。
雪が多く冬が長い美山では、庭がいちばん美しくなるのは都会よりひと月ほど遅い。5月の半ばごろから。タイム、ローズマリー、ミント、セージ、チャイブ、バジル、カモミール...などのおなじみのハーブも珍しい品種がそろい、ナスタチウムやカモミールも花ざかり。料理のインスピレーションを受けるため、都会のシェフたちも足しげく通い、苗を持ち帰るというのにもうなずけます。
今回の誌面では、ふだんの料理に"ちょこっとづかい"するアイデアを敦さんに教えていただきました。ハンバーグやトマトソース、プリンなどにちょっと加えるだけでフレッシュな香りが広がり、とっても豊かな気持ちになります。お店で買うこともできるハーブですが、いつでもちょっとずつ摘みたてが使える...そんなぜいたくは、ひと鉢からでも挑戦したくなります。
さて、今回私が初めて出会った、いちばんのお気に入りは、背の高い枝の先に真っ白な小花をつけるエルダーフラワー(西洋ニワトコ)のジュースでした。その甘い香りと、すーっと体に染み入るようなおいしさといったら...。
イギリスでは「エルダーフラワー・コーディアル」というシロップも市販され、むくみやだるさを取ってくれる夏の人気のハーブドリンクだそうですが、つくり方は、まるで先ほどの小梅の梅干しと同じくらい簡単! 撮影で使った花を持ち帰って、さっそくつくってみました。
①まず、レモンに同量の砂糖をまぶして、水が上がってくるまで待ちます(これを発酵レモンと呼ぶそう)。
②そこに、お茶パックに入れたエルダーフラワーの花をつけ込むだけ。
あとは、水や炭酸で割ってドリンクに。メロンのようないい香りです♪
なんとか、家でもつくれないものかと、小さな苗を分けていただき、育ててみることに。果たして、数年後には自家製ジュースがつくれるくらい花が咲くでしょうか...?
ところで最近、三田市、芦屋市...など、いろんな地域で開かれている「オープンガーデン」(一定期間、個人のおうちの庭を一般公開して見学ができるイベント)が人気ですね。現在制作中の9月号では、「園芸の町」宝塚で開かれているオープンガーデンのコンテストをはじめ、数々の賞を受賞しているお宅のお庭を訪ねます。木漏れ日が差す庭に、風に揺らぐグラス類がなんとも心地よいナチュラルな庭。小さな庭やベランダ園芸でもまねできるヒントも庭主さんにうかがいました。こちらもお楽しみに!
(M・O)
★9月号のブログの更新日8月10日です。
★編集室スタッフ5人が交替で登場します。お楽しみに!
2017年8月号